歌声・セリフ・高品質収録の救世主!?都内の格安レコーディングスタジオに行ってみた!
色々あって動画などで使うセリフや歌を収録したい!……けど、収録環境が悪い、良いマイクがない、思いっ切り声が出せない・・・そんなことはありませんか?
最近、個人勢のVTuberさんもめっぽう増えてきたので、そういったことで悩む方も以前より増えてると思います。
(実際この記事の構想を練ってた時はUTAU音源の収録をメインで想定していました)
というわけで、今回はそんな悩みを解決するかもしれない、東京都内の格安収録スタジオ「KPP Stuido」についてのレポです。
実際行ったときの注意事項や、UTAU音源収録者向けのアドバイスも書いておきます。
1⃣KPP Studioの魅力
①破格のレンタル料
お値段なんと1時間で2,000円です!
しかも、機材の使用料、オーディオエンジニアへの報酬、諸々含めてこの価格です。
加えて、10時間収録する場合は1万8千円、つまり1時間分(2,000円)安くなります!
※ただし、商用利用、法人利用の場合は1時間4,000円です。
さて、ここで個人向けの防音ブースで一番手が出しやすいといわれる「だんぼっち」の価格を見てみましょう。
一番小さいので64,800円、吸音材で15,000円(だんぼっちは吸音材張らないと反響がひどくて使い物になりません)これに送料を加えるとざっと9万くらいはします。
立って収録したいとなると、本体86,800円、吸音材18,700円でこの時点で10万超えることは確実です。
マイクやオーディオインターフェイスだけで結構するのに、思いっきり声を出すための防音ブースに10万円をポンと出せる方はあまり居ないのではないでしょうか・・・。
②ボカロ作成にも使われる!高品質なマイク
このスタジオに置いてあるのは、世界中のスタジオで使われている業界標準のコンデンサマイク「Neumann U87Ai」です。
初音ミクなどのボーカロイドを作るときにもよく使用されているマイクでもあり、遥か昔の話なので今より古いタイプですが、ヒトラーが演説に使っていたマイクもこの会社が作ったものです。
お値段なんと※321,429 円!
普通に買うとするとメッチャ痛手ですが、これを1時間2000円で使えるというのは非常に魅力的なのではないでしょうか。
※メーカー希望小売価格
③録音初心者でも安心!
収録するデータについて事前に詳しく説明する機会があるので、「スタジオで収録したことない!!!どうやるのかな・・・。」ということも無く安心です!
あと、エンジニアさんって気難しい方多いのかなぁ~と思ってた(偏見)のですが、ここのエンジニアさんめっちゃ優しい方でした、いやホントに。
④UTAU音源の収録経験あり!
なんとこのスタジオのエンジニアさん、UTAU音源の収録も経験したこともあるそうです!加えて、ある程度UTAUやその他の音声合成の話が通じるので、UTAU及びその他の音源収録に関しても適しています!
(SharpkeyとSynthVについても個人的にちょこっと布教したり……)
⑤歌ってみたMixやノイズ除去依頼なども!
録音以外にも歌ってみたのMix、ノイズ除去、マスタリング、ボイスドラマの組み立て、作曲、編曲、BGM作成などなど、音に関する様々な依頼を受け付けています!
歌の収録+Mix依頼、Mixだけ依頼など、様々なプランがあるのでご検討あれ!
2⃣スタジオの利用方法
公式サイトにも書いてありますが、まずこちらのカレンダーのスケジュールを確認し、空きがあることを確認してメールフォームに各種情報を入力します。
http://nanashi0089.com/studio_kpp/calendar.html
問い合わせフォーム上部に書いてあるように、「スタジオ利用について」には必ず目を通しておきましょう。料金プラン以外にも注意事項が書いてあります。
ご予約・お問い合わせフォーム - 東京都狛江市の格安ホームレコーディングスタジオ Studio KPP
エンジニアさんが確認取れ次第、再度確認のメールが届くので、必要事項や録音に必要なデータなどを送りましょう。なお、スタジオの具体的な場所もこの際送られてきます。
3⃣当日の具体的な流れ
私の場合、京王線の調布駅からバスに乗って狛江の某所に集合しました。(場合によっては小田急の狛江からでもいいです。)
それからエンジニアさんと合流してKPP Studioに連れて行ってもらいます。
歩いてそんな掛かりません、長くても大体3分ぐらい?
ただし色んな意味で結構バリアフルな道のりなので足の調子が余り良くない方は、エンジニアさんと相談するか利用を控えた方がいいかもしれません・・・。
そして自宅兼スタジオに到着
わーお、なんか機材一杯あってすごい・・・。
こちらがクローゼットを改造して作られた収録ブースです。
周りに吸音材が貼り付けてあるのと、収録時には防音カーテン+クローゼットの扉を閉めるので完全防音状態になります。
めっちゃつよいです。
夏頃に行きましたけど、家のエアコンが効いてるのと換気用の扇風機(収録時には切る)があるので休み休みならそこまで苦でもないです。
こちらが今回お目玉のコンデンサマイク「Neumann U87Ai」です。
実物を見たことがなかったので思わず「うわおぅ……!」っと声が出てしまいました。
ちなみに、この時は2人で収録に行ったので、
・1人はブースの中でヘッドホン越しに指示を聞きながら収録
・もう1人は外で椅子に座る+ヘッドホンで収録音声を聞きながら、稀に※スイッチを押して「これこうした方がいいんじゃない?」とディレクションをする
※防音室の中のにいる収録者のヘッドホンに私の声を流すためのスイッチ
といった構図になりました。
4⃣音質の比較
私の声を上げるのは少々お恥ずかしいので、ノイズ除去ソフトに通した私の声で比較してみます。
こちらが私の普段の環境で収録した声です。マイクは悪くないものの、特にいいというわけでもありません。
ここのオレンジ色の強い線が「声の成分」です。
舌のベースになる部分は程度はっきり見えるものの、結構周りに埋もれています。
特に高音(上部分)になると弱弱しく、全く音も拾えていない状態になります。
こちらがKPP Studioで収録した私の声です。
声が全く埋もれてないのに加え、高い音までしっかり見えます。
家でこのクォリティーを出すには高品質マイクだけでなく、オーディオインターフェイス、防音室、ポップガード……etcなど、いろんなものが必要になるので、ここまでの品質に寄せるには相当な苦労が必要になります。
5⃣実際収録しに行ったときの注意事項
①周りにコンビニやスーパーはありません。飲食は可能なので駅の周りで済ませておきましょう。
②予約した時間を過ぎると料金が2500円と少々高くなりますので、予約時間は余裕を持ちましょう。
③長時間の収録は喉だけでなくメンタルも疲れます、龍角散系のど飴、ちょっとだけ暇をつぶせるものなどを持っていくといいと思います。(スマホで事足りる気はしますが)
④あくまで個人の家なので個人情報に直結しそうな情報や写真は出さないようにしましょう。
⑤人の家の化粧室を借りるのに抵抗がある方は収録時以外の水分の接種を控えめにしましょう。
⑥商用利用や法人、クラウドファンディングの出資を受けている場合、料金プランが変わります。ご注意ください!
6⃣UTAU音源収録者向け
収録リストを渡してwavを個別に書き出すことも可能ですが、それだとOremoの自動収録並み、あるいやそれよりちょっと早いかぐらいの時間がかかってしまいます。
もし、自力で分割する手間が掛かってでも時間短縮したい場合は「連番でも大丈夫です」といった旨を伝えれば対応してもらえると思います。
UTAU音源を連番で収録した場合、wavDividerを使って分割するのがおすすめです。
結論:
恒常的な収録クォリティー(歌や音源収録)を要求されることない限りは、機材や収録環境をそろえるよりKPPスタジオに行った方が圧倒的に安上がり且つ高品質になる。