アマノケイのまったり技術解説

合成音声系の技術的なことを中心に解説記事を書いていきます。

コラム:キレ音源とはなんぞや&私見

キレ音源の由来 

キレ音源の由来は、波音リツ 新音源発表の際に安価で音源名をつけたことに由来する

安価とは (アンカとは)

インターネット上の掲示板(特に2ちゃんねる)ではに、過去の書き込みに対して返答する際に、その書き込みがにあてられた物かを明確にするために用いられる事が多い。

基本的に多くの掲示板では、半角引用符2つにレス番号で自動リンクられる。(例:>>1

ニコニコ大百科より引用)

2ちゃんねる(特にVIP)では、行動主が、自分がとる行動や送るメール内容を未来のアンカー先に託し、その通り実行する「安価スレ」が定期的に立つ。

はてなキーワードより引用) 

当日、回線が悪かったことにより、生放送中に何度も回線が途切れるアクシデントが多発し、あるユーザーが悪ふざけで投稿したコメント「キレ」が安価に引っかかる。

放送中に居合わせた人は全員この名前をつけるのに反対したが、カノンさんが強行説得したことにより「キレ音源」という名称が付く。

ちなみに、ニコ生のコメントは設定しない限り匿名コメントになっており、誰が「キレ」コメントを投稿したのかは不明であり、これからもずっと知る術はない。

 

キレ音源の定義今昔

発案者のカノンさん(波音リツさんの中の人)による定義

高音と低音の声質を変えることで歌声に抑揚が付くようにした多音階音源

 波音リツ キレ音源は「高音で強く、低音で弱く」発声したとのこと

 ※2012年以前、多音階音源は均一な声質で収録するもの。抑揚は調声でつけるものという思想が大多数を占めており、あくまで合成音の品質・声のキャラクター性維持などがメインという雰囲気であった。

最近の印象(雰囲気)

低音を弱く高音で叫ぶ感じの声で収録する多音階音源

恐らく、波音リツキレ音源がパワフルなボイスだったことにより、「抑揚が付く」+「パワー系音源である」という印象が強かったことによる。

 

※カノンさん的には「キレ音源の定義をはっきり行わなかったことにより、昔の意図と今の印象が違ってきてる」事はあまり気にならない模様

 

キレ音源に対する私見

・「多音階」は現代のUTAUでは「多音階音源全般を指す呼称」

・もし、音源を声質をブレなく一本に絞って収録してるのであれば、UTAU史初期にあった「多音階音源(無印)」になる。

・最近では声質を一本にブレないように意図して収録する人は(キャラ音源を収録しようとする方以外)そこまでいない。

・よって、普通に収録した多音階音源は声がパワフルであろうと、ウィスパー気味であっても「カノンさんの定義である『キレ音源』」(以降『原理的キレ音源』と呼称)になるはず。

・制作した音源が『原理的キレ音源』であっても、声質があまりパワフルでない場合「キレ音源」という名称を付けてしまうと、パワー系を期待した人に突っ込まれるので単に「多音階」という名称を付ける方が多い。

・『原理的キレ音源』を多く作ってる方は、独自の名称を付けている方が多いのでそもそも「キレ音源」という名前を付けない方も多い

例:edge音源(松田っぽいよ),Acrobat, Balloonなどほぼ全て(戯白メリー)…etc